海外からの入金:銀行の窓口で聞かれること、そして答え方
海外の取引先から入金がある、と伝えた瞬間から、銀行の質問は始まります。悪意はありません。銀行には確認する義務があるだけです。ただ、その質問に答えられるかどうかで、入金までの日数と手取りが変わります。窓口でのやり取りを、そのまま順に見ていきます。
「どういったご入金でしょうか」
最初の質問はこれです。役務の対価なのか、物品の代金なのか、立替金なのか。答えが曖昧だと、確認のために入金が保留されます。
用意しておくもの:契約書または発注書、請求書、相手先の名称と所在国。これだけで、たいていの確認は一度で終わります。
「円でお受け取りになりますか、外貨のままですか」
ここが手取りを最も大きく左右します。円転すると、その銀行の為替レートが適用されます。1 ドルあたりおよそ 1 円のスプレッドが上乗せされるのが一般的で、これは手数料の欄には出てきません。
1 万ドルの入金なら、この見えない差は 1 万円規模です。外貨のまま受け取れる口座があるなら、円転のタイミングを自分で選べます。
「中継銀行の手数料が引かれる場合があります」
この一文は、説明されないまま流されることが多い部分です。送金は相手の銀行から直接届くわけではなく、両方を知っている銀行を経由します。その中継銀行が、誰にも予告せずに自分の取り分を引きます。
米国からの米ドル建て送金の場合、被仕向送金手数料と中継銀行の控除を合わせて、およそ 1,600 円からになります。金額が小さいほど、この固定費の重みは増します。
なお、三菱UFJ銀行は被仕向送金の手数料を改定しており、2026 年 10 月 1 日と12 月 14 日に変更が適用されます。取引のある銀行の最新の表を一度確認してください。
「着金は 3 営業日ほどみてください」
回線が遅いのではありません。経由する銀行がそれぞれ確認し、それぞれの営業日で動くからです。金曜の午後に送られた送金が火曜に届くのは、こうした事情です。
窓口に行かずに済ませる方法
質問の多くは「中継銀行を経由すること」から生まれます。経由をなくせば、質問も減ります。
- 海外の現地口座で受け取る(Wise、Payoneer など)。相手は自国内の送金として支払い、中継銀行が入りません。Wise は仲値に近いレートと明示された手数料で、送金の大半が 1 時間以内に着金します。Payoneer は Upwork や Fiverr などの支払いに強く、USD、EUR、GBP、JPY の受取口座を持てます。
- ステーブルコインで受け取る。銀行の連鎖そのものがないため、中継手数料も営業日の待ち時間もありません。ネットワーク手数料は数セントから数ドルで、金額によって変わりません。実際のコストは日本円に換えるときに出るので、そこのレートを比べてください。
- 従来の送金は高額向け。固定費の比率が下がり、書類も最も揃います。
窓口での三つの心得
- 手数料欄ではなく、着金額を聞く。「いくら引かれますか」ではなく「いくら口座に入りますか」。
- 円転は自分のタイミングで。受け取りと両替は別の判断です。
- 同じ相手から繰り返し入金があるなら、一度きちんと説明しておく。二回目以降の確認が驚くほど早くなります。
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